真っ暗な世界で見えるのは
小さく輝く道標(みちしるべ)
その道を辿り あなたに会いに行く
夜明けのない世界で
時計の針が深夜0時を回る。
ベッドに寝転んだ俺は、バルコニ―から夜空を眺める彼女を見た。
飽きもせず、夜空に広がる星たちを愛しく見る彼女。
高い高い天空に輝く星たちを見ている彼女は、今にも夜空の彼方に
飛び去ってしまいそうだ。
そう思うと、とても恐ろしい気分になる。
・・・起き上がってから、俺は一息つく。彼女がいなくなるなんて、
俺は何考えているんだか。
「エアリス」
「なぁに?」
彼女はいる。当たり前じゃないか。
そう、当たり前。
「寝ないのか?」
彼女は夜空を眺めたまま答えた。
「寝たくないの」
「何故?」
「クラウドと一緒に寝たいから」
「・・・・冗談はよせ」
「本気なのに」
彼女は振り返り、悪戯っぽく笑った。
しばしの沈黙の後、彼女から声をかけられた。
「クラウドも星、見ない?」
「・・・ああ」
ベッドから立ち上がり、彼女のいるバルコニーへ行く。
「・・・すごいな」
「でしょう?」
夜空に広がる星の海。赤く輝く星、青く輝く星たち。
海を深い。
「あそこにあるのは、白鳥座よ」
「・・・星座、判るのか?」
「少し、だけ」
「意外だな」
「失礼ね・・・」
俺は苦笑した。
その後、彼女に足を踏まれたが。
彼女は突然言った。とても悲しそうな声で。
「・・・星はあんなに綺麗なのに、運命は残酷よ」
「どうして?」
「星は死ななければ、輝けないの」
「・・・星が死ぬ・・・・」
「・・・・・うん」
「とても・・・悲しいんだな・・・星は・・・」
「でも、いいこともあるのよ」
彼女は明るく声を出す。
しかし、俺には哀しく聞こえた。
「それは?」
「誰かが自分の生きていた時の「輝き」を見てくれること」
「・・・生きていた『輝き』?」
彼女と目が合う。
彼女は微笑んだ。
「そのうち判るよ」
「エアリス?」
彼女の不思議な言葉に、戸惑いを感じた。
「私がいなくなったら、クラウド、どうする?」
「え・・・?」
エアリスがいなくなるなんて。
考えたくない考えたくない考えたくない
カンガエタクナイカンガエタクナイ・・・・
彼女を抱きしめる。
こうしないと、彼女が消えそうで怖かったから
「・・・・・判らない・・・・・・」
眼が熱い。
目の前が霞んで見える。
「・・・・・ごめんね・・・
もうこんなこと言わないよ」
彼女の手が、俺の頬に触れる。
ひんやりとした手。けれど、とても落ち着く。
「クラウド、泣いてる」
「なっ・・・泣いてない・・・」
「変なの」
「・・・・」
「さっ、もう寝ようか」
彼女はバルコニーを後にする。
俺は目をこすった。
あの言葉の意味を、俺は後から知る
少しでも早く、言葉の意味が判っていたら。
時が流れて星は動く
星の海は干上がり、夜明けとなる
夜明けの世界に何が見える?
人は見るだろう
永(なが)かった夜が終わる時を
けれど、俺には何も見えない
夜の世界は、あまりにも暗過ぎた
その世界で見つけた優しい星
あなたは、いつも輝いていたのに
あなたは死んだ
二度と輝くことがない
Cloud&Aerith
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うちのクラウドはエアリス病(エアリスがいないと駄目)ですわ。
病んでるという、突っ込みはなしで。
最近、暗いアニメばっかを見てるので影響がでてるもよう。初クラエア
が、こんなに暗い話になるとは考えてもなかった・・・(ぁ
クラウドの誕生日祝いにしようと思ったのに、暗いので、別の作ろう・・・と思います・・・orz
ブラウザバックでお戻り下さい。
06/08/23