滲む。

 

 

君が滲む。

 

 

・・・

 

 

 

 

 

・・・滲む色と君・・・

 

 

 

あいつは、状況が判らないのかと、思う。

 

 

「・・・ハセヲさん」

「・・・・ん?」

「・・・雨宿り・・しません?」

「・・・・・・。」

 

 

今いるフィールドは、霧雨のフィールド。雨が降っていることは当たり前である。

なのに、わざわざ雨宿り?

・・・意味判らねぇ。

 

「・・・寄り道したら、ミッション、クリアできないんだけど。」

 

 

あいつは、俯いたまま応えない。

 

「・・・おい?」

 

 

「・・・・やっぱり・・・いいです・・・」

声が沈んでる、こいつ。

・・・なんか、表情も哀しそうなんですけど。

 

・・・はぁ。

 

「・・・判ったよ。」

 

 

俺ってば、お人好し。

 

 

 

・・・

 

 

俺達は、近くの木の下へ移動。

木にもたれる俺。その近くで座るあいつ。

この間の会話はない。

 

 

「・・・リアル・・・嫌(や)なことあったのか。」

俺なりの丁寧な(つもり)言い方。

 

こいつが我侭(わがまま)言うのは、不機嫌な時のを俺は知ってる。

 

「・・そうじゃ・・・ないです・・・」

あいつは、俺を見ない。

ただ、俯いて。

 

 

わざわざ、雨宿りして何の相談もなしなんて、腹が立つ。

 

「じゃぁ、何な訳?」

 

 

ちらりと俺を見上げるあいつ。

それから、言った。

 

 

 

「・・ハセヲさん・・・、最近、揺光さんと・・・仲良いから・・・」

 

 

 

・・・・はぁ?

 

「・・・ど、どういう意味だよ・・・」

マジで意味判らん。

 

聞いてるこっちも恥ずかしいような。

 

 

あいつは、顔を真っ赤にしながら答えた。

「そ、そのままですよっ・・!ハセヲさんと揺光さん・・なんか、最近、雰囲気いいじゃないですかっ!!」

 

まぁ・・そういわれて見れば、そうかも知れない。

最近、揺光と冒険する回数は多い。気のせいかもしれないが、メールの件数も多い。

多分、こいつよりも。

 

 

・・・まさか。

 

 

「・・・・あんた、焼いてんの?」

 

 

あいつの顔がみるみる、赤く染まっていく。

・・・当たり。

 

「・・・ち、ち・・・違いますっ!!!私、別に焼いてなんか・・!!」

否定するばするほど、墓穴に入っていくぞ、こいつ。

 

 

 

 

「・・・焼いてくれんの嬉しいんだけど。」

 

「・・・え?」

 

 

やべ、失言。

 

 

「は、ハセヲさん・・・、それってどういう意味で・・・?」

 

 

「俺、帰るわ。」

早いところ、帰った方がいいしな。

 

ミッションは・・・たまにはクリアしなくてもいいだろ。

 

 

俺は転送装置へと向かう。

 

 

「ちょ・・・ちょっと待ってくださーい!!」

 

 

 

 

・・・

 

滲む。

滲む。

淡く滲む。

君の色が、僕の心を滲ませる。

 

 

 

 

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ハセアトできました。・・・甘くしたつもりです。(甘いの難しい・・・)
二人には、いつもこんな感じだと嬉しいなと願望も入っております。
次は、揺光ネタでも書きたいなぁと思う、今日この頃。

 

06・10・28