「ねぇねぇ、クラウド」

「なに」

「あのね、となりのいえのブルームくんにね、おとなになったら
けっこんしてっていわれたの」

「・・・エアリスがブルームのおよめさんになるってこと?」

「そうだよ?」

「そんなの、いやだ」

「なんで?」

「エアリスは、おれのおよめさんだから」

「そうなの?」

「そうだよ」

「それじゃぁ、わたし、クラウドのおよめさんになるよ」

「ほんとう?」

「うん」

「じゃぁ、これあげる」

「なぁに、これ?」

「おれのおよめさんのあかし」

「ゆびわ?

「うん」

「きれい」

「うん」

「・・・これ、やくそくのしるしだから、なくすなよ」

「うん、なくさないよ」

「わすれるなよ」

「わすれないよ」

 

 

 

***オレンジ色の約束***

 

 

 

 

 

 

 



「ねぇねぇ、クラウド」

「・・・」

「懐かしいもの、見つけたの」

「・・・何?」

「これ、指輪よ。
もう、小指しか入らないぐらい小さい指輪だけど」

「・・・何処で見つけたんだ?」

「私の宝石箱から」

「・・・あの、何でも入っている怪しい箱からか・・・」

「失礼ね。
『宝石箱』って言って」

「・・・で、これは何な訳」

「何も覚えてないの?
これ、クラウドからもらったんだよ」

「いつ」

「小さい頃」

「どこで」

「私の家の裏」

「・・・覚えてない」

「その時、私、プロポーズされたのよ」

「・・・誰に」

「クラウドに」

「・・・し、知らない・・・!」

「あ、動揺してる!私は、覚えてるんだから!
『俺のお嫁さんの証』って言われて、もらったんだもん」

「俺が?」

「そうよ。
あと、『約束を忘れない』っていう約束もしたっ!」

「・・・」

「・・・クラウド、忘れちゃったの?」

「・・・なんというか・・・」

「・・・・ふーん」

「・・・なんだよ」

「・・・それじゃぁ、あの約束って冗談だったんだ」

「・・・は?」

「・・・あーぁ、ずっと約束、覚えてる私って、なんだかばかみたいだね。
約束、もうないから、誰かと『ケッコン』しちゃおうかなー」

「お、おいっ!」

「なぁに、
動揺してる、約束破りのクラウドさん」

「あ、あのな・・、その、あんたとの約束は、覚えてないけどな・・・」

「あーっ!やっぱり覚えてないんだっ!」

「話を最後まで聞け。
まぁ、覚えてないんだが、
その・・・、約束を新しくすることってできるんだろ・・・」

「約束を、新しくする?」

「だから・・・、
その『結婚の約束』とやらを、ここで約束すればって・・・

「・・・そ、それって・・・、ホントのプロポーズ?」

「・・・っ!!それを言うなよっ!
こっちは恥ずかしいんだよ・・・」

「・・・クラウド、顔、真っ赤っ!」

「・・・・う、っさい」

「ホントに約束してくれるの?」

「・・・ああ」

「ホントに?」

「本当。
・・・そんなに不安なら、指輪を買ってくるか?」

「そんなの、いらないよ」

「何で?」

「もう、貰ってるから」

「・・・あれで、いいのか?」

「うん。
だって、あの指輪がクラウドからの最初のプロポーズだから」

「そ、それは・・・時効だろ・・・」

「時効じゃないよ、私が覚えてる限り」

「・・・頼むから忘れてくれ・・・」

「嫌です。」

「・・・あんたって、いい性格してるよな・・・」

「誉め言葉として受け取っておくわ」

「・・・・・あと、何か足りないものはありますか、エアリスさん」

「もう、何もないですよ、クラウドくん」

「・・・あるじゃん」

「え?」

「エアリス、あんた、鈍すぎ」

「どういうこと?」

「・・・・結婚式とかでやる『チカイノキス』の練習」

「・・・キスって言えばいいじゃない」

「は、恥ずかしいんだよ」

「・・・いつもしてくるくせに」

「・・・あのなぁ」

「・・・いいよ」

「はぁ?」

「キスの練習っ!!」

「あんた、顔真っ赤だけど」

「・・・早く」

「それじゃ、頂きます」


 

 

 

 

*

 

 

 

 

「・・・ヴィンセントー・・・」

「・・・なんだ、ユフィ」

「あたし、今、思ったんだけどさ、
クラウドとエアリスってさぁ、ただのバカップルじゃないの?」

「・・・そうなんだろう・・・」

「あたしさぁ、あーゆーのだけにはなりたくないなー・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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07・06・11

改 07・08・29  
  なんじゃこりゃと思ったので、改造。糖分たっぷりに
  してみました。